真夏のアスファルトと、嫁さんの麦茶

警備業務

隊員コラム / 現場レポート

真夏のアスファルトと、嫁さんの麦茶

「水分補給だけはホンマに、しつこいくらいでええんよ」――和歌山弁が飛び交う、夏場の現場から。

隊員プロフィール

  • 氏名:マスオ
  • 年齢:47歳
  • 出身:和歌山県
  • 担当:交通誘導警備
  • 家族構成:奥さんと、生意気盛りの息子ふたり

朝の現場前、合言葉は「無事に帰ってきよ」

ワシ、朝出かける前に必ず嫁さんから言われるんやんか。「無事に帰ってきよ」って。47にもなって毎朝それかいな、思うやろ?でもなぁ、これがあるとないとでは現場での気の入り方がちょっと違うんやで。

道路工事の交通誘導いうたら、見た目はただ立っとるだけに見えるかもしれんけどな、ホンマは頭の中フル回転や。前から来る車のスピード、後ろから来る重機の動き、歩行者のおばあちゃんの足取り、ぜんぶ同時に見とるんよ。

夏場の現場は、自分の体が一番の道具

ワシらの仕事は、夏になるとアスファルトの照り返しがエグいんやしか。地面から熱が湧いてくるんよ、ホンマ。新人さんに最初に言うんは「水分補給だけはしつこいくらいでええ」っちゅうこと。喉乾いたなぁ思うた時には、もう体は遅れとる。

ワシは現場入る前に、嫁さんが持たせてくれた麦茶の魔法瓶を必ずチェックするんや。氷も入れてくれとってな、これが昼前の休憩で身体に染みるんよ。家族のためにも、自分の体をちゃんと現場に持って帰らなあかんしな。

新人さんに伝えとる、たった三つのこと

ワシが新人さんに最初に伝えとるんは、難しいことやのうて、たった三つや。「無理せん」「水飲め」「困ったら呼べ」。これだけ。最初から完璧を目指さんでええ。むしろ、変に気合い入れて無理する人ほど、夏場にコロッと熱中症でやられるんよ。

立ち位置とか、誘導棒の角度とか、現場ごとの段取りとか、そういうのは正直、何回かやればだんだん身についてくる。でも「自分の体と相談する」っちゅう感覚だけは、最初から持っとってもらわなあかんのよ。これだけは、後から取り戻すのが難しいからな。

「ありがとう」のひと声で、また明日も立てる

このあいだも住宅街の工事現場で、ベビーカー押したお母さんに「いつも暑いのにありがとうございます」って声かけてもろうてな。あれだけで一日分の疲れが半分くらい飛んでまうわ。誘導棒振っとるだけに見えても、まちの人らの「いつもの一日」を守っとるっちゅう自負はあるんやで。

40過ぎてからこの仕事入ってきた人、ようけおる。体力に自信がないて尻込みしとる人もおるかもしれんけど、ベテランなりの動き方ってのが必ずあるからな。気になっとるんやったら、いっぺん話だけでも聞きに来たらええわ。和歌山弁のオヤジが、そこそこ親切に教えるで。

― 交通誘導警備員 マスオ

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