奈良からポンと出てきた俺が、現場で覚えた「間(ま)」の話

警備業務

隊員コラム / 現場レポート

奈良からポンと出てきた俺が、現場で覚えた「間(ま)」の話

「誘導棒は腕で振るんちゃう、間合いで振るんやで」――先輩のひと言が腑に落ちた日のこと。

隊員プロフィール

  • 氏名:澤田
  • 年齢:34歳
  • 出身:奈良県
  • 担当:交通誘導警備
  • 家族構成:実家は奈良、本人は独身、休みの日はだいたいラーメン屋巡り

「最初の一年は、棒の振り方ばっかり気にしててん」

どうも、澤田です。奈良からポンとこっちに出てきて、気づいたらこの仕事もう何年目やろ。最初の頃は、ホンマに誘導棒の振り方ばっかり気にしてたんよ。きれいに振りたい、かっこよく振りたい、みたいな。今思うとちょっと恥ずかしいわ。

そんな俺に、先輩がぼそっと言うてくれてん。「澤田、誘導棒は腕で振るんちゃうで。間合いで振るんや」って。最初は何を言われてるんかピンとこんかったんやけど、現場で何回もしくじってるうちに、だんだん意味が分かってきたんよ。

止めるタイミングと、行かせるタイミング

たとえば、片側交互通行の現場。こっちの車を止めて、向こうの車を流す。文字にしたら一行で済む話やけど、これを「ちょうどええタイミング」でやるんがめっちゃ難しいねん。早すぎたら待ち時間が伸びてイライラされるし、遅すぎたら鉢合わせになる。

運転手さんの表情、ハンドル握る手の動き、ブレーキランプの加減。そういう細かいとこを見ながら、「あ、この車は急いでるな」「この車は譲ってくれそうやな」って自然に読めるようになってきたんは、ほんまにここ最近の話やわ。

しくじった日の帰り道で、いちばん成長する

正直、しくじった日のほうが今でもよう覚えてるわ。ある朝の現場で、こっちが止めるタイミングを一瞬迷ってもうて、ドライバーさんを長いこと待たせてしもた日があってな。クラクション鳴らされて、めっちゃ凹んだ。

でも、その日の帰り道で「次やったらこう動こう」「あの位置やったらもうちょい前に出たほうがよかったな」って頭の中で何回もやり直しとってん。あの日の悔しさがあったから、今のほうが現場の流れを読めるようになったんやと思う。失敗そのものより、その夜にちゃんと振り返れるかどうかや、結局。

誰かの一日を、ちょっとだけスムーズにする仕事

34になって、現場でも中堅扱いされるようになってきた。後輩から「澤田さん、この場面どうしたらええんすか」って聞かれることも増えてきてん。そのたびに、俺もまだまだ勉強中やな、って思うわ。正解が一個ちゃう仕事やから、面白いんよな。

派手さはないけど、誰かが急いどる朝とか、ベビーカー押して困ってるお母さんの一瞬とか、そういう場面で「ありがとう」って言うてもらえる仕事、なかなかないと思うで。気になっとる人おったら、いっぺん現場見学でも来たらええやん。奈良弁の俺が、そこそこ親切に教えるから。

― 交通誘導警備員 澤田

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